貴重なコンサートのご案内
私が通っているマスタークラスの世界的ピアニスト田崎悦子先生が、11月6日(日)に東京上野にある、東京文化会館小ホールで、
オール バルトークのコンサートをされます。
私は今マスタークラスで係をしておりまして、公演に向けてのお知らせをマスタークラスの方々へお送りしたりもしています。
そのお知らせを、今回シェアし、マスタークラス以外の方々にも、この素晴らしい、またとない公演に興味を持っていただきましたらと思い、こちらのブログでご紹介することにしました。
18歳で単身ニューヨークへ、そして、ジュリアード音楽院に学ばれながら、その後のお話を聞けば聞くほど、想像を超えたドラマのような人生を送ってこられた田崎先生の、そのほんの一部の事に触れています。
では、以下、是非お読みください。
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今日は公演に向けて先生がお話くださったことを皆様へも是非シェアしたいと思います。
まずは、先生とバルトークとの出会いについて先生がお書きになったご案内から抜粋いたします。
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バルトークと私の関係は深く、長く、信じがたいほど密なものです。
1960年、高卒でN.Y.に渡った私を待ち受けていたものは、バルトークの嵐でした。
その15年前にN.Y.で亡くなったバルトークの旋風がN.Y.を襲っているかのように、私はジュリアードの先生方からバルトークの洗礼を受けたのです。
それまで、日本では聞いたことがなかった作曲家の名、その譜面を開けると、暗号のようなものが上下、左右に並び、それを音楽にするなんて、まったく考えることが出来ませんでした。
ピアノ曲のみならず、ほとんどの室内楽の教えをたくさん受けました。その音たちは否応なしに私にまとわりついて来、数年後には「少し音楽かな?」と思えるような音になってきました。その数年後に、ピアノ協奏曲第2番はシカゴ響/ショルティ氏との共演となったのです!
(ここまでご案内からの抜粋)
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田崎先生はバルトークの研究の為に何度もハンガリーへ赴かれました。
ある日、ボーイフレンドと夕暮れのドナウ河のほとりを散歩していると、歌が聞こえてきました。
男たちが数人、車座になって歌っていたその歌は、日本の民謡にそっくりでした。
どうしてこんな所で日本の民謡を歌っているのかしら?と思われたほど、そのメロディーは先生の心の中に自然に入り込みました。
そして、日本を旅立ってから10年以上も一度も日本に帰る事なく懸命に過ごされていた先生は、初めて日本を懐かしみ、ハラハラと涙をこぼされたのでした。
ハンガリーに於いても、人々と心温まる交流を重ねて来られた田崎先生にとってバルトークは特別な作曲家に違いありません。
その後も長きに渡り、何度もバルトークを演奏されていますが、オール・バルトークでプログラムを組まれるのは、なんと今回初めてだそうです!
しかも、ピアノソロのみならずアンサンブルも・・・!
一度の公演の中で様々なバルトークの魅力と出会えることでしょう!
こちらの写真の図は、
プログラム最後の「2台のピアノと打楽器のためのソナタ」の楽譜に載っています。
一体どんなこと?と身を乗り出しそうになりますね!
楽譜の中を見せていただきましたら、ご覧の通り、一つの拍の縦の音の並びには、シャープもフラットもナチュラルもみんな付いている所だらけで、私には解読不可能!!と思わず楽譜を閉じたくなるような複雑な譜面でした。
この曲の中でバルトークが初めて編み出したピアノ奏法(掌でのグリッサンド)も見られます!
どんな魅力的な音楽になるのでしょう?!
向かって左:藤川天耀さん(Pf.) 右:城所素雅さん(Vn.)
また、今回はJOM20周年記念コンサートとして、JOMで育った若いボーイズも共演します。
田崎先生とボーイズからほとばしるエネルギーを体中に浴びる事と思います!
公演に向けて田崎先生は今、
楽譜の表紙にあるバルトークの顔を毎日見つめながら、1音1音を彼に代わって会場の皆様に届けようとされています。
田崎先生が全力でこの公演に掛けてらっしゃる想いを、皆さまのお知り合いの方々へもシェアして頂けると嬉しいです!
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